松岡虔一
「きよしこの夜」の思い出

クリスマスのシーズンは、12月25日の４つ前の日曜日からで、今年は11月30日（日）からである。世界的にはラテン語で（アドベント）と呼ばれ、日本語では（降臨節）と呼ばれている。今年は11月30日（日）からである。教会の礼拝でもローソクの灯を大切にします。神の御子は暗い世の中に差し込んでくる光なのです。もみの木やヒイラギを丸く束ねて輪を作り４本のローソクをその上に立て、日曜日ごとに１本ずつ灯を灯してアドベントを過ごして、４本になるとクリスマスとなる。アドベントに入ると各地で「キャロリング」が行われる。聖歌隊が手にローソクを持って「きよしこの夜」を歌い、街中を練り歩き、クリスマスの到来を告げるのである。

「キャロリング」には多くの「想い出」がある。私が小学校3年生の12月に「第二次世界大戦」が勃発し、長崎湾の香焼島に捕虜収容所が開設された。東南アジアで捕虜となったオランダ兵・イギリス兵の捕虜達が次々と収容されていった。４年生のクリスマスには、当時長崎で牧師を勤めていた父親のお供をして収容所のクリスマス礼拝に参加、捕虜達と一緒に「きよしこの夜」を英語で歌った。終戦後の中学生、高校生時代は長崎YMCAの中学、高校生達と一緒に爆心地を「キャロリング」して「きよしこの夜」を歌い、敗戦で心すさんでいた被爆者たちにクリスマスの訪れを告げ知らせた。カトリック教徒達は、原爆で黒焦げとなった浦上天主堂の「聖母マリア」像を戸板に乗せて行進していた。父親が大阪天王寺区の教会に転任したので、私は将来牧師となるために東京の立教大学で神学を学んでいたが、冬休みで帰省していたので、父親のお供をして土佐堀Ｙ、南Y、豊中Yなどでピアノやオルガンの伴奏をしながら「きよしこの夜」を歌った。

今年は、また昨年同様にケアハウスの一階ホ－ルで、施設内にある「贖い主教会」の聖歌隊のギター伴奏を中心に、高齢者施設の皆さんと共に、「きよしこの夜」を歌うのを楽しみにしている。